2013年3月26日火曜日

東京地裁:元蒼国来の解雇無効

八百長認めず、相撲協会敗訴 

3月25日(月)20:49

元幕内蒼国来の恩和図布新氏


 
大相撲の八百長問題をめぐる訴訟で解雇無効の判決後、支援者と喜ぶ元幕内蒼国来の恩和図布新氏=25日午後、東京地裁前


相撲界を震撼(しんかん)させた八百長騒動。すでに発覚から2年の歳月が流れたが、日本相撲協会を解雇された元幕内蒼国来が、解雇無効の判決を勝ち取った。

 「本当に長かった。やっと裁判で(八百長を)やってないことを明らかにしてもらった」
 まげを結い、淡い緑色の着物姿で歓喜の声を上げた。東京地裁は問題とされた取組で八百長があったとは認めず、解雇は無効であると確認。解雇後の給与(1カ月あたり約130万円)の支払いも命じた。

  判決の背景として、協会の特別調査委員会による「クロ認定」の証拠が不十分であることが指摘された。調査委は、対戦相手の元竹縄親方(元幕内春日錦)と仲 介役とされた元幕下恵那司の供述に基づき、元蒼国来が平成22年夏場所、十両での春日錦戦で八百長をしたと認定。23年4月11日に引退を勧告したが、引 退届を提出しなかったとして、同14日に解雇処分とした。

 だが、古久保正人裁判長は、元春日錦が出廷を拒み、元恵那司も「はっきり分から ない」とあいまいな供述をしている点を指摘。「春日錦戦が八百長だったと認めるには十分でない」と判断。処分の妥当性についても「引退勧告に応じないこと が秩序を乱すとして最も重い解雇処分を選択するのは相当性に疑問がある」と批判した。

 協会の北の湖理事長(元横綱)は判決を受けて「どう してこういう結果になったのか。要因はどこにあるのか。危機管理委員会を中心に検証し、理事会にはかりたい」とコメント。控訴に踏み切るには八百長を証明 する新たな証拠を用意しなくてはならないが、結局、材料不足で控訴を断念することになった。4月上旬に臨時理事会を開き正式決定する。

 当初から一貫して八百長関与を否定してきた元蒼国来は「土俵に戻りたいです。(復帰したら)今まで以上に良い相撲を取ってみせたい」と意欲。代理人の小松初男弁護士も相撲協会側の対応次第では面会を求め、早期の土俵復帰を要請する意向を示した。

 通常、協会には解雇、除名された者は再び戻ることはできないが、早ければ幕内力士として夏場所(5月12日初日、両国国技館)で土俵に上がる。

http://www.sanspo.com/sports/news/20130326/sum13032605040002-n2.html


蒼国来:「本当に長かった」2年間

11年4月に八百長関与と認定されて日本相撲協会から追放された元蒼国来の恩和図布新(おんわとうふしん)氏(29)が25日、地位確認訴訟で東京地裁から解雇無効との判決を勝ち取った。

 敗訴した日本相撲協会は、判決を覆すだけの証拠が乏しいため控訴を断念することが、協会関係者の話で分かった。4月上旬の臨時理事会で正式決定する。引退した力士が復帰するという前代未聞の事態になる。

 まげを結い、うすい緑の着物を着た元蒼国来は、土俵を離れた2年間について「本当に長かった。応援してくれる方が心の支えになった」と話した。ジムでトレーニングしたり、ラグビーの社会人チームに混じったり、体力を落とさないように努めてきた。ただし、相撲の稽古不足は否めない。解雇前、130キロ程度だった体重について「変化はない。でも筋力的には落ちている気がしている」と話した。

 この2年間は知人の家などで世話になっていたが、所属していた荒汐部屋に戻ることも検討。「これから考えたい。親方と電話して確認したい」とし た。2年間のブランクは大きく、もともと幕内下位だった元蒼国来にとって、厳しい戦いが強いられる。「応援してくれた方々へ恩返ししたい。今まで以上のいい相撲を見せたい」と意気込んだ。

http://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/p-sp-tp3-20130326-1103050.html

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