2013年6月19日水曜日

モンゴル資源争奪戦

【新華社】モンゴルのウラン鉱採掘分野での日本企業の活動を「順風満帆」と形容するなら、中国企業の投資はさまざまな障壁にぶつかり、ウラン鉱だけでなく、ほかの鉱産資源分野でも日本企業とまったく違った待遇を受けている。

中国駐モンゴル大使館商務参事官の柴文叡氏によると、「モンゴルでは鉱山開発が資源略奪や環境破壊と同一視されており、特に歴史的、現実的な理由で 中国投資者は冷遇されている。このような敏感な背景にあって、中核集団のモンゴルでの買収プロジェクトは2度も失敗に終わっている」という。

2004年末、カナダのアイバンホー・マインズはオユ・トルゴイ地区で埋蔵量60億トン以上の炭鉱を発見した。モンゴル政府はウムヌコビ政府開発計画を作成し、オユ・トルゴイを中国および海外市場に銅、石炭、鉄鉱石を輸出する主な基地として位置づけた。

見通しは明るいものの、オユ・トルゴイ銅金鉱開発にはインフラ設備建設以外に少なくとも12億ドルの投資が必要で、アイバンホーの負担力を超えた。これに応えるべく、最終的に日本の三井物産が韓国や中国の企業を破り落札した。

05年4月、三井物産は、アイバンホーとウランバートルで覚書に調印して戦略同盟を築き、モンゴル南部地域でインフラ施設の建設を行い、アイバン ホーの銅・金鉱と石炭資源探査を支援することになった。そのうち、最新技術レベルに到達する近代化発電所、送電線、自動車道路、鉄道の建設工事などが含ま れている。

アイバンホーにとっては、モンゴルと国境を接し、旺盛なエネルギー需要がある中国および日本は間違いなく絶好の協力パートナーだ。だが、中国企業が 得意満面となっていた際、予想外の問題を生じさせてしまった。中国鉱業協会の劉益康秘書長によると、「人目を引くため、多くのメディアが言葉遣いに慎みを 欠いた結果、モンゴル政府に勘違いを生じさせてしまった」という。

世界鉱業大手の豪州リオ・ティントも気配を感じて行動を開始した。06年10月、リオ・ティントはアイバンホーとの協議を達成し、10%の株式を買 い付けた。その後、オユ・トルゴイ銅・金鉱プロジェクトの19・9%の株式を6億9100万ドルで購入したほか、アイバンホーと連携して技術委員会を設立 し、世界最大の銅鉱を誇るオユ・トルゴイ銅・金鉱開発と運営を連携して手掛ける予定だ。

何度も交渉や株式買収を繰り返した後、11年末現在、リオ・ティントはアイバンホーの42・1%の株式を入手し、筆頭株主に浮上している。一方、アイバンホーはオユ・トルゴイ銅・金鉱プロジェクトの66%の株式を保有し、残る34%はモンゴル政府が所有している。

三井物産のほか、住友商事も設備提供などを通じてオユ・トルゴイ銅・金鉱プロジェクトから大きな恩恵を受けている。11年3月3日、住友商事は1億3200万ドルの注文を受注し、小松製作所のダンプ・カー28台とブルドーザー6台およびほかの鉱山設備を提供している。

=6/14 日刊産業

http://kozuka-g.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/06/post_e879.html

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