2013年11月12日火曜日

シンポジウム:近代東アジアの言語規範

科研費プロジェクト「書記伝統における標準規範の歴史的東西比較研究」

第1回シンポジウム「近代東アジアの言語規範」

日時 2013年12月7日(土)・8日(日)

会場 場所 女子美術大学杉並キャンパス1号館2階1201

*女子美術大学杉並キャンパスへの行き方:
地下鉄 丸ノ内線 東高円寺駅 下車 徒歩8分 地図は以下のアドレス参照。
http://www.joshibi.ac.jp/access/suginami.html

主催 科研費プロジェクト「書記伝統における標準規範の歴史的東西比較研究」

[お問い合わせ] 原聖(女子美術大学、harakysh@gmail.com)



開催趣旨

科研費プロジェクト「書記伝統における標準規範の歴史的東西比較研究」では、これから3年間にわたって、書記伝統における標準規範の問題に取り組むことになった。このプロジェクトは、書記伝統の長いヨーロッパとアジアに関して、標準規範の歴史という観点から東西を比較し、両者の特徴をあぶり出そうとするものである。ヨーロッパはもちろんラテン文字文化圏が主要な地域だが、スラブ(キリル文字文化圏)も当然ながら視界に入る。アジアについては、いわゆる漢字文化圏(中国大陸、朝鮮半島、日本列島、台湾、ベトナムなどを含む)との比較対照を主な目標とするが、南アジア、さらにはイスラム文化圏(中央アジア、中東地域)も比較対象に考える。時代的には古代史から現代まで全歴史的時代をカバーすることを目指している。

この第1回シンポジウムを、2013年12月7日(土)−8日(日)、女子美術大学杉並キャンパスで開催する。近代を中心に、書きことばのレベルでの標準規範に関する国家としての対処の仕方、また少数言語における自主的な対処の仕方を、とりあえず東アジアを軸に比較検討を試みようとするものである。もちろん、ここでは国家的規模での言語を検討するばかりでなく、国家政策とはいえないようなレベルでの言語運用の動向を調査することで、現代の多言語主義的方向への示唆的事項を探ろうとするものでもある。

この際、これまでの多言語社会研究会を中心とした言語政策に関する研究蓄積、とりわけ現代欧州の多言語主義の戦略との比較検討は有益であろう。

なお、このシンポジウムでは、オランダ・ライデン大学から標準語理論に関する専門家、ディック・スマックマン(Dick Smakman)教授を招聘し、標準規範に関する一般的考察を深め、中国から3人、すなわち、社会科学研究院の黄行(Huang Xing)教授、南京大学の徐大明(Xu Daming)教授、内モンゴル大学からバヤルメンド(Baiyinmende)教授、またモンゴルからプルブジャブ(Purevjav)教授を招聘し、東アジア近代における言語規範について具体的に検討する。プログラムは下記の通りである。なお、使用言語は日本語とし、英語、中国語については、日本語の通訳を介することにする。



2013年12月7日(土)

第1部 司会 パトリック・ハインリヒ(独協大学)

13:00-13:30 開催趣旨説明と報告者の紹介(原聖、女子美術大学)

13:30-15:00 ディック・スマックマン(オランダ・ライデン大学)「標準語標準方言に関する構造主義的、社会言語学的理論をめぐって」(英語、日本語レジュメ付)

15:00-15:30 コメント、フロリアン・クルマス(ドイツ日本研究所、英語・日本語)と質疑応答

15:30-16:00 休憩

第2部 司会 原聖

16:00-17:30 黄行(中国・社会科学研究院)「チベット語の近代規範」(中国語、通訳、荒木典子、首都大学東京)

17:30-18:00 コメント、徐大明(南京大学)(中国語、通訳、包聯群、大分大学)と質疑応答

18:00-20:00 懇親会

12月8日(日)

第3部 司会 包聯群

9:30-10:00 前日のまとめと報告者の紹介(原聖、女子美術大学)

10:00-10:45 バヤルメンド(内モンゴル大学)「内モンゴルにおけるモンゴル語の近代言語規範」(日本語)

10:45-11:30 プルブジャブ(モンゴル科学アカデミー)「モンゴルにおけるモンゴル語の近代言語規範」(日本語)

11:30-12:00 コメント、フフバートル(昭和女子大学)と質疑応答

12:00-13:30 昼食

第4部 司会 岩月純一(東京大学)

13:30-14:30 三ツ井崇(東京大学)「近代朝鮮語の言語規範」

14:30-15:00 コメント、寺尾智史(神戸大学)と質疑応答

15:00-15:30 休憩

15:30-17:00 総合討論 司会、原聖、女子美術大学、論点提起 藤井毅、東京外国語大学、フロリアン・クルマス(ドイツ日本研究所)、フフバートル(昭和女子大学)

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