チベット・モンゴル条約
1913年1月11日 調印地 フレー(現ウランバートル)
モ ンゴルとチベットはそれぞれ満洲・中国王朝の権力から離れ独立した。昔から同じ宗教を信じているため、これから二つの国家は互いに助け合うことについて、 それぞれの政府の命令によって友好条約を協議するべく、ボグド・ハーン(聖王)の命令によって任命された〔全権大使〕、外務大臣ニャクトビリクト・ダラ マ=ラプテン、副将軍マンライ・バートル貝子ダムジスレン、チベットのハーン(王)、ダライラマの命によって任命された〔全権大使〕、クチャル・ツェン シャプ=カンチン=ロプサンガワン(ドルジエフ)、ドニェル=ガワンユンテン、モンゴルにおけるダライラマの布施管理官イシギャムツォ、書記カンドケルサ ン、これらが協議して以下のことを決定した。
第一条 チベットの君主ダライラマは、モンゴル国が独立したことを承認する。また、モンゴル国の仏教の主ジェブツゥンダムパ=ラマを豚の年の豚の月の九日にモンゴルの王として推戴したことをまた承認する。
第二条 モンゴル国の君主ジェブツンダムパ=ラマはチベットの独立を承認する。また、チベット国の王にダライラマを推戴したことをまた承認する。
第三条 モンゴル・チベット両国はこれから仏教をつねに宣揚し広めることに努力しなければならない。
第四条モンゴル・チベット両国は今より以後、内外の対抗する敵に直面したときは、いつでも互いを護り助ける。
第五条 両国は、公的な目的のため、あるいは巡礼のため、また、いかなる事案によって往来する相手国の臣民を互いに保護する。
第六条 両国は相互に貿易することを妨げてはならない。また互いに商品を生産する施設を創ることができる。
第七条 今後、賃借は役所において許可した場合にのみ可能となる。役所の許可のない賃借に関する要求は役所において審理しない。もし賃借契約が本条約締結 前におこなわれ、当事者間において解決せず、多大の損失を被るものがある時は、その負債は役所において取りたてることができる。ただしいかなる場合におい ても負債はシャビナル(高僧の属民)及び旗の負債としてはならない。
第八条 本条約の条項に追加の必要がある場合には、モンゴル政府及びチベット政府は全権委員を任命し、状況をみて協議して決めること。
第九条 本条約は署名の日より発効する。
蒙古共載(仏典にあらわれる世界最初の王の名が独立モンゴルの元号となった。意味は「德によってみなに推戴されたもの」)2年12月4日(西暦1913年1月11日)
西蔵壬子 年同月同日
蒙古政府の条約締結全権院 外務大臣 大ラマラプテン
外務次官 ダムジスレン
西蔵君主ダライラマの上司役締結全権委員
グヂル・ツェンシャプ・カンチェン・ルプサン・アグワン・チョインザン(ドルジエフ)
布施管理官 イシギャムツォ
書記 ゲンドゥン・ケルサン
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